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食べるラー油 流行の理由

食べるラー油 流行の理由

 料理にほんの少し加えるだけで、多彩な風味や文化を与えてくれる魔法の粉―スパイス(香辛料)
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 最近では、柚子こしょうやブラックペッパーなどの身近な香辛料から、世界各国様々な香辛料があり、その刺激的な味の虜になっている方も多いようです。そんな中、空前の大ブームを巻き起こした香辛料があります。
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 その名は、“食べるラー油” 人気の秘密は、ラー油の中にたっぷり入った香味野菜、辛いだけではなく、旨みとコクがあり、一度食べるとやみつきになるおいしさです。また、1,2滴垂らすのではなく、具ごと食べるという新感覚も人気の理由。食べ方のレパートリーが豊富で、かけたり、和えたり、炒めたり、何でもできるので、つい食べ過ぎてしまうこともしばしば・・・
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 栄養的に見ると、ラー油の材料の唐辛子に含まれる“カプサイシン”は油によく溶け、血行促進や胃液分泌をよくする働きがあります。皮下脂肪の代謝を促進させて、肥満を防止することで話題にもなりました。また、辛そうに見える唐辛子の赤色の正体“カロテノイド”もまた、油によく溶け、抗酸化作用を持っています。
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 ところで、なぜヒトは刺激の強い(辛い)香辛料を好むのか・・・ それは、刺激の強い香辛料を食べると「痛み」として脳に伝わり、そこから自然の痛み止めが放出されます。そして「痛み」を乗り越えた後に、心地よい満足感に似たものを得ることが出来るためという説もあります。
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 また、「痛み」を感じると脳は危険を察知しますが、この「辛い=痛い」は本当に危険な状態ではない、けれど“痛みを味わうことができる”といった、疑似体験みたいなものがクセになるためとも言われています。
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 しかし、この刺激的な味を求めすぎて、何にでも香辛料を使っていませんか?辛さを楽しむ限度を超えると、脳が“辛い”を辛いと思えなくなって本当の味覚が弱ってきてしまいます。砂糖が甘かったり、塩がしょっぱかったりする味覚は大体3歳ぐらいで完成するとされ、好き嫌いをしたり、偏食をする子どもが増えてきているのは、食材の持つ本来のおいしさがわからないためだともいわれています。
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 また幼少期の食事は、大人になってからの食習慣を決める大事な時期でもあります。お米や豆の自然な甘みや野菜のおいしさを知り、正しい味覚を覚えるためにも小さな子どもには刺激的な辛さは控えるほうがよいと思います。ラー油などの強い香辛料の味は、大人になってからの楽しみにとっておきましょう。
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 最後に唐辛子のウラ話・・・「唐辛子はなぜ辛いか!?!」 それは、果実の中の種子を守るためです。動物が食べてしまうと、歯で種を噛み砕いて壊してしまうため、撃退法として辛さを持っていました。しかし、武器である辛味をヒトが愛好するようになり、結果的に世界中に広まってしまったのです。唐辛子にとっては、とんだ誤算だったようです。