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栄養レシピ&コラム 2010年公開分
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“ねぎ”と“にら”で風邪を撃退!

“ねぎ”と“にら”で風邪を撃退!

 くしゃみ・鼻水・鼻づまり・せき・のどの痛み・頭痛・発熱・・・様々な症状の総称を“風邪”と呼びます。原因となるウイルスは常に空気中を漂っていますが、通常では体の様々な器官がウイルスと闘い、防衛しています。しかし、体が疲れていたり、調子が悪いとその働きが追いつかなくなり、風邪を引いてしまいます。
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 風邪の予防には、規則正しい生活を心がけ、適度な運動とバランスのとれた食事で、普段から基礎体力をつけておくことが肝心です。そして、こまめな手洗いとうがい、温度や湿度の調整など、ウイルスを寄せつけない環境作りも大切です。
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 風邪予防として注目したい栄養素は「ビタミンA」と「ビタミンC」です。ビタミンAは、皮膚やのど、鼻、肺などの呼吸器の粘膜を健康に保つ働きをするため、感染症を予防し、免疫力を高める効果があります。緑黄色野菜の色素であるカロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変わります。
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 ビタミンCは、強い抗酸化力があり、有害な活性酸素から細胞を守る働きをします。そして、免疫力を高め、風邪に対する抵抗力をつけてくれます。ヒトの体の中では作ることのできない栄養素なので、積極的に摂ることをすすめます。ビタミンCが欠乏すると、疲労感が増し、ストレスによりさらに消費量が増えてしまいます。風邪予防の面からだけではなく、毎日きちんと野菜を食べることは、健康な体作りにとても大切です。
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 そこでおすすめの野菜が「ねぎ」と「にら」です。“にら”は新陳代謝を活発にし、発汗、解熱、制菌作用があるので初期の風邪に効きます。カロテンがとても豊富に含まれており、体を温める効果もあるので、風邪を引きやすい人におすすめの食材です。“ねぎ”は殺菌効果に優れており、薬味にも多く使われているのはそのためでもあります。ねぎと聞いて、緑色の部分が主な葉ねぎを思い浮かべる関西に対し、関東は白い部分を食べる根深ねぎを思う方が多いようです。
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 葉ねぎは緑黄色野菜に分類され、カロテン、ビタミンCともに多く含まれ、風邪予防に効果があります。根深ねぎは淡色野菜に分類され、ビタミンCを含み、ねぎ特有の辛味成分アリシンが血行を良くし、体を温めてくれます。また、疲労回復効果のあるビタミンB1の吸収を促進する作用があり、風邪で弱った体にはありがたい食材です。このようにねぎは栄養的に優れ、古くから栽培され、食べられてきた野菜です。緑と白どちらも仲良くいっしょに食べて下さいね。
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 寒さも本格的になり、風邪とともにインフルエンザの流行時期になりました。すでに集団発生のニュースも聞かれます。たかが、風邪くらいと軽く考えてはいけません。風邪は万病の元。風邪かな?と感じたら、こじらせないよう、体を温かくして、消化の良いものを摂り、早めに休息をしましょう。熱が高いなど、症状が重い時や、インフルエンザが疑われる時は、早めに病院で診察を受けましょう。