TOP
>
栄養レシピ&コラム
>
栄養レシピ&コラム 2011年公開分
>
アイスクリームの魅力

アイスクリームの魅力

 いよいよ暑い夏がやってきました。近年の夏はとても暑くなっていますが、去年はとくに猛暑となりアイスクリームが例年にも増してとても売れたようです。
*
 今では、夏に限らず1年中アイスクリームが売られ、新商品も続々登場します。観光地では、特産品を使ったご当地ソフトクリームが注目を浴び、唐辛子やワカメなど意外な食材もあるほどです。
*
 お菓子の中でもトップクラスの支持率をもつアイスクリーム。その美味しさ・・・あのコクとまろやかさの裏には、科学的な理由が隠れています。
*
 アイスクリームにはそれぞれ、味も違えば甘み、コクの深さ、滑らかさがあり、材料が同じでも配合や成分によって違うものができます。一般的にアイスクリームと呼んでいるものは、乳固形分の多い順に「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」に分けられ、多く含まれる程、コクが出て、滑らかになります。これ以外にかき氷のように脂肪分がほとんど入っていないアイスクリームは「氷菓」と呼ばれます。
*
 また、アイスクリームは乳脂肪以外の脂肪の使用が禁止されているので、乳脂肪の美味しさが一番味わえます。そして、ラクトアイスはアイスクリームに比べ植物性脂肪が多く使われているため、コクは少なくなりますが、安価で、あっさりと食べたい方にはオススメです。
*
 アイスクリームの美味しさは、原料である「牛乳」の成分で決まります。乳脂肪だけでなく、たんぱく質・乳糖・カルシウムなどがさらなるコクや滑らかさを出します。脂肪分にはない“糖質の甘み”が相乗効果となり、よりいっそうの美味しさが生まれるのです。
*
 そして、製造工程にもさらなる美味しさの秘密があります。材料を混ぜる時に入る空気がアイスクリーム独特のなめらかさを作り出します。アイスクリームを食べた時に、氷のように口の中に張り付かないのはこのため。栄養的にも優れており、乳製品から作られているため、たんぱく質や現代人に不足がちなカルシウムが含まれています。成長期の子どもにはオススメなおやつのひとつです。
*
 アイスクリーム別の販売量では、第1位はラクトアイス。値段も手ごろで種類も一番多いためと予想されます。2位は氷菓。アイスクリームの仲間としては、一番低エネルギーで、あっさりとしていて水分補給代わりになりそう。3位はアイスクリーム、4位はアイスミルクの順だそうです。
*
 ところで、国内のどこの地域が一番多くアイスクリームを消費していると思いますか?正解は福島市(総務省家計調査:平成20~22年平均)。ちなみに最下位は意外にも那覇市です。関西は消費量が比較的少なく、関西から離れるほど消費量が多い傾向にあります。
*
 それでは、アイスクリームの不思議を二つ紹介しましょう。
*
【1】アイスクリームは太らない?!
 アイスクリームの原料の乳製品は血糖値の上昇がなだらかなため、体脂肪がつきにくい。また、ヒトの体は、体温を平熱にしようとする能力があります。そのため、冷たいアイスクリームを食べると体が冷やされ、冷やされた体を元の体温に戻そうとし、エネルギーを消費することなどが根拠のようです。太らないかどうかは分かりませんが、アイスクリームのカロリーは決して低くありません。結局食べすぎてしまっては、太ってしまいます。おやつとして適量を楽しみましょう。
*
【2】アイスクリームは腐らない?!
 アイスクリームに賞味期限が記載されていないこと知っていましたか?物が腐る原因となる“細菌”は低温では増えることはありません。そのため、ちゃんと保管されていれば、品質が劣化することはほぼ無いと言えます。しかし、保管状態が悪く一度溶けてしまえば、元に戻ることはないので、保存温度はきちんと守ることがとても大事になります。賞味期限がない代わりに「要冷蔵(-18℃以下保存)」と記してあるのはそのためです。アイスクリームを買ったら、溶かさないように気を付けてお家に持って帰りましょう。
*
 魅力あふれるアイスクリームですが、食べごろがあります。季節や室温などで多少変わりますが、「-10℃」くらいが一番美味しい時。冷凍庫から出して、少し置いたぐらいが食べごろです。
*
 今年も暑くなりそうです。どんなアイスクリームが登場するのか楽しみですね。