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甘いのにカロリーゼロの不思議

甘いのにカロリーゼロの不思議

 普通のコーラと、カロリーゼロのコーラ、あなたはどちらを飲みますか?やはり美味しいけれどカロリーは気になる・・・同じ味ならもちろんカロリーゼロを選ぶという方も多いと思います。コーラだけでなく、清涼飲料水やゼリー、菓子など、カロリーオフやノンカロリーをうたった商品が数多く販売されるようになりました。でも、甘いのにカロリーがゼロとはどういうことなのでしょうか?
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 まずは、食品に甘味をつけるための調味料である甘味料の種類を見てみましょう。甘味料には、天然のものと人工のものがあります。天然甘味料は、砂糖・はちみつ・メープルシロップ・水飴・麦芽糖・オリゴ糖などの食品と、天然に存在する甘味料から人工的に合成される既存添加物があります。エリスリトール・トレハロース・キシリトール・ステビア加工甘味料・羅漢果抽出物などがそれにあたります。一方、天然には存在しない甘味を人工的に作り出したものが合成甘味料で、アスパルテーム・アセスルファムカリウム・スクラロース・サッカリンなどが、食品添加物として認可されています。
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 さて、本題の「甘いのにカロリーゼロ」にするには2つの方法があります。ひとつは、甘味度が砂糖の数百倍以上あり、ごく微量で甘味を出すことができる甘味料です。代表的なものに、アスパルテーム・ステビア抽出物・サッカリンなどがあります。もうひとつは、甘味の成分が体内に吸収されるが、そのまま尿中に排泄されて、エネルギー源として利用されないもの、エリスリトールなどがあります。これらの甘味料を使うことにより、カロリーをゼロに近づけることができるのです。
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 エリスリトールは、厚生労働省のエネルギー評価法により、エネルギーが0kcal/gと唯一認められている糖質で、でんぷんを分解してブドウ糖をつくり、それを酵母によって発酵させて作る甘味料です。日本で1990年頃から大量生産されるようになりました。ワインや清酒、醤油や味噌などの発酵食品、果物、キノコなどにも少し含まれています。
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 エリスリトールの甘味の強さは砂糖の約75%で、すっきりとした後味の甘さが特徴です。他の甘味料と組み合わせることで、キレのよい甘さ、苦味や渋みの緩和、風味の向上も得られるため、カロリーゼロの清涼飲料水や菓子などだけではなく、ドレッシングや漬物など多くの食品に使用されています。また、虫歯の原因となる酸をつくらない、血糖値を上昇させないといった特徴もあります。
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 生活習慣病やダイエット、カロリーを気にする人にとっては、カロリーを抑えられる甘味料はありがたい存在です。しかし一方で、高甘味度を持つ甘味料の摂り過ぎは、「体に備わったカロリー計算能力」を狂わせてしまう可能性があるのではないかという意見があります。通常のカロリーの食品を食べたときに満足感が得られない、過食のように適正な食事量がわからなくなるなど、本来私たちの体が身につけていた機能を誤作動させてしまうそうです。
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 味はある(甘い)のにカロリーがないことを、私たちの体はどのように感じているのでしょうか?特に生まれてから、初めて食べ物を口にし、いろいろな食品を経験しながら味覚を養い、カロリーや栄養、また危険な食べ物などを体に覚えていく時期の子供には、高甘味度の甘味料や人工甘味料に注意が必要だと思います。
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 今や多くの甘味料が使われており、それなくして食品は成り立たなくなっています。時々は商品の原材料や成分表示を見てみましょう。カロリーを気にせず、美味しい物をいただけるのは喜ばしいことですが、もしかしたらそれは少し不思議なことなのかもしれません。
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※食品の成分表示は、次のように定義されています。
・「カロリーオフ」「低カロリー」:100g当たり20kcal未満
・「ノンカロリー」「カロリーゼロ」:100g当たり5kcal未満