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日本が誇る調味料 しょうゆ

日本が誇る調味料 しょうゆ

 みなさんはしょうゆと海水のどちらが塩辛いと感じますか?海水の塩分濃度は3%、しょうゆは16%前後と実はしょうゆの方がずいぶんと高いのです。しかし、しょうゆにはうま味や香りが含まれるため、単なる塩辛さだけを感じることはありません。うま味のもとは麹菌、乳酸菌、酵母の働きによって作られるアミノ酸やグルタミン酸、香りは数百種もの成分を複合的に含んでいるそうです。そんなしょうゆについて、ひも解いてみましょう。
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 では、しょうゆはいつ誕生したのでしょうか?そのルーツは3000年以上前の中国の醤(ひしお)といわれています。醤とは魚介や肉、野菜、果物、穀類などを日持ちさせるために塩漬けし、発酵させたもの。なかでも大豆、米、小麦などの穀類の醤がしょうゆの原形とされます。鎌倉時代にみそ造りの過程でできた上澄み液から、現在のしょうゆに近いものが造られるようになり、江戸時代に入って本格的にしょうゆの製造が始まりました。
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 しょうゆの原料となるのは大豆、小麦、食塩です。大豆は脂肪分を抜き取った脱脂加工大豆の形で使われています。製造過程で大豆の脂肪分が浮き、ろ過しなくてはいけないため、脱脂したものを使うのが現在の主流になっています。ところが大豆の脂肪分が、もろみの酸化を防いだり、味をよくする効果があることがわかり、大豆を丸ごと使うことも見直されています(丸大豆しょうゆとして売られています)
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 しょうゆの製造方法は次の3通り。その8割以上を占めるのが「本醸造方式」で、まず蒸した大豆と炒った小麦粉、麹菌を混ぜてしょうゆ麹を造ります。それを食塩水とともにタンクに仕込んで、半年以上寝かせます。この間に麹菌の働きによって分解、発酵、熟成されてもろみができます。このもろみを絞ったものが生しょうゆで、殺菌のため火入れをされてから商品となります。その他に、もろみにアミノ酸液(大豆のたんぱく質を塩酸で分解したもの)を加えて熟成させる「混合醸造方式」、生しょうゆとアミノ酸液を混ぜて造る「混合方式」があります。
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 しょうゆの種類はJAS(日本農林規格)によって、5つに分類されています。国内消費量の8割以上を占めるのが濃口しょうゆ、大豆と小麦がほぼ同量の割合で造られます。関西地方を中心に使われる淡口しょうゆ、製法は濃口とほぼ同じ、塩を増やすことで色が淡く仕上がります。薄口と表記されることもありますが、濃口より味や塩分が薄いわけではなく、むしろ塩分はやや高いので勘違いしないようにしましょう。色が淡いことから淡口しょうゆといわれます。食材の色をいかしたい煮物や吸い物などに、和食には欠かせないしょうゆです。
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 そしておもに中部地方で使われるたまりじょうゆは、小麦を使わず蒸した大豆を熟成させて造られます。独特の香りやコク、とろみがあり、せんべいの塗りじょうゆのように照りが出したいもの、また刺し身じょうゆとしても使われます。再仕込みしょうゆは山口県柳井市発祥、生しょうゆに再び麹を混ぜて発酵させるため、色、味、香りが濃厚です。さらに白しょうゆは、小麦に少量の大豆を加えて造られます。淡口よりもさらに色が淡く、香りがよく、味わいは淡泊です。吸い物や茶碗蒸しなどに、どちらかといえばプロ向けのしょうゆといえるでしょう。その他にも地方によって様々なしょうゆが造られており、地域色豊かな調味料といえます。
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 塩分を控えた食事作りのためにできたのが減塩しょうゆ、病院食だけでなく、一般の家庭でも使われるようになりました。塩分だけを特殊な方法で取り除き、通常のしょうゆより塩分が50%以下に抑えられています。うま味や香りはどうしても物足りなく感じますが、最近では製造方法が工夫されてきており、おいしい減塩しょうゆも出てきています。
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 しょうゆの大きな目的は塩味をつけることですが、それ以外に加熱することで食欲をそそる香りを放ち、照りを出したり、美味しそうな焦げ目をつける役割もします。魚や肉の臭みを消す効果、佃煮などの日持ちをよくする効果も。さらには少量加えることで甘味を引き立たせる効果などもあります。
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 塩味の中にうま味や甘味、酸味、苦味など複雑な味を併せ持つしょうゆは、今や世界から注目される、日本が誇る調味料です。ただ残念なことに、原料の大豆や小麦のほとんどを輸入にたよっています。私たち日本人がこの先ずっと使い続けていくしょうゆですから、原料もできるだけ国内でまかないたいものです。