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緑と白のつぼみ

緑と白のつぼみ

 寒さが増してくるこの頃、旬を迎える野菜にブロッコリーとカリフラワーがあります。スーパーの野菜コーナー、ひとつ選ぶとしたら、あなたはどちらを手に取りますか?
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 ブロッコリーはアブラナ科でキャベツの仲間、地中海原産のキャベツの花蕾(からい)が巨大化したものから改良されて生まれた野菜です。花蕾とはつぼみの集合体のこと、あのブロッコリーのモコモコした頭頂部はつぼみの集まりなのです。イタリアで改良され、ヨーロッパ中に広がって食べられるようになりました。日本に入ってきたのは明治時代だそうですが、きっと当時の人たちは見慣れない不思議な野菜に見えたことでしょう。本格的に栽培され始めたのは戦後から。
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 一方、カリフラワーはブロッコリーの突然変異から生まれました。白化したブロッコリーができ、それを改良して現在のカリフラワーとなったわけです。日本にはブロッコリーと同じく明治時代に渡ってきましたが、よく食べられるようになったのは戦後から。いわば兄弟のようなブロッコリーとカリフラワーですが、栄養的な特徴をみてみると違いがあります。
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 ブロッコリーは濃い緑色からもわかるようにカロテンを豊富に含んでいます。カロテンは抗酸化作用があり、老化防止や皮膚や粘膜を丈夫にする働きがあります。疲労回復や美肌効果のあるビタミンC、貧血予防に有効な葉酸、血圧を下げる働きのあるカリウム、カルシウムや食物せんい、また糖尿病予防効果のあるクロムなど多くの栄養素を含んでいます。さらにはアメリカの国立ガン研究所による「ガン予防が期待できる食べ物」の上位にランクされています。アブラナ科の野菜は抗ガン作用が高いとされていますが、とくにブロッコリーに含まれるスルフォラファンという成分には抗酸化作用、解毒作用があるそうです。このスルフォラファンの含まれる濃度がもっとも高いのは発芽3日目、いわゆるスプラウトとしてこちらも注目です。
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 かたやカリフラワーは、カロテンは少ないですが、ビタミンCやカリウム、食物せんいなどが豊富に含まれます。加熱しても損失が少ないタイプのビタミンCですので、風邪予防や美容にはうれしいですね。また免疫機能を高め、ガンの発生を抑制する効果のあるイソチオシアネートを含んでいます。
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 ブロッコリーを買うときは緑色が濃く、頭頂部がこんもりとして、つぼみがぎっしりと詰まっているものを選びましょう。茎は傷みがなく、切り口がスカスカになっていないものを。鮮度が落ちやすいので、ビニール袋に入れて冷蔵庫で3~4日、長くおきたいときは、固めに茹でて冷凍する方がよいです。小房に分けるときは、房を手で割いて分けます。さらに小さくするときは、房からつぼみのギリギリまで包丁で切り込みを入れ、つぼみの部分は手で割くようにすると、小さなクズが出にくいです。沸騰した湯で数分、やや固めに茹でてザルに上げ、あおいですばやく冷ますと緑色が冴えます(水に落としてはいけません)大きな形で茹でる方が、うま味が逃げにくくなります。サラダや炒め物、煮物にも向きます。くずれるほどにやわらかく茹でてパスタに絡めたり、ピューレ状にしてスープにするのもおすすめです。ブロッコリーは茎も甘味があって美味しいので、棄てないで厚めに皮をむいて調理しましょう。
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 カリフラワーは、つぼみが固く締まってこんもりと盛り上がり、表面に傷や変色のないものを選びましょう。冷蔵庫で1週間くらいは持ちますが、白い部分が変色してくるのでブロッコリー同様、冷凍するとよいでしょう。美味しく茹でるコツは、湯に水で溶いた小麦粉を加えると、表面がコートされうま味を逃さず、より白く仕上がります。レモン汁や酢を少量加えても白さが際立ちます。サラダやマリネに、スープや煮物、炒め物は生から調理できます。やわらかく煮くずしてポタージュやディップにするとカリフラワーの味を楽しめます。
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 ところで、ロマネスコというカリフラワーをご存知ですか?最近スーパーなどでみかけるようになってきました。つぼみのひとつひとつがピラミッドのような円錐形をしており、初めて見たときはその形に驚きです。世界一美しい野菜とも称されるロマネスコは、イタリアの伝統野菜のひとつ、ヨーロッパではロマネスコがポピュラーなカリフラワーだそうです。茹でると翡翠色になり、やや青臭さを感じるものの、軟らかめに茹でるとホクホクした食感の中に甘味があります、ぜひ一度おためしを。
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 ブロッコリーとカリフラワー、当初よく食べられていたのはカリフラワーでしたが、80年代頃から輸入のブロッコリーが入り、一年中出回るようになったことで、ブロッコリーの需要が伸び現在に至っています。栄養の面からもブロッコリーが優位ですが、カリフラワーにも負けない美味しさがあります。緑と白のかわいらしい形は、いろいろな料理に活躍してくれます。その時々で使い分けたり、一緒に料理してもいいですね。