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山椒は小粒でもピリリと辛い

山椒は小粒でもピリリと辛い

 暖かい日が続くようになり、庭の山椒の木にも小さな若葉が出始め、季節の移り変わりを感じます。山椒は北海道から九州、屋久島まで日本各地で自生するミカン科サンショウ属の落葉低木です。木には雄木と雌木があり、堅い枝はすりこ木としても利用されます。縄文時代の土器から実が発見されたり、日本最古の史料「魏志倭人伝」や「古事記」にも登場したりと、古くから薬用や香辛料として使われてきました。
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 3~4月に芽吹く葉(葉山椒)がおなじみの木の芽、吸い物の吸い口や料理のあしらいに使われます。また木の芽みそにして田楽や、相性のよいタケノコを和えた料理は春ならでは。自生では早春から初夏にかけて採れますが、現在では温室で栽培され、料理店などでは通年使用されるようになりました。木の芽は濡らしたペーパータオルにはさみ、ラップで包んで冷蔵庫で4~5日は保存可能、彩りに添えるときは、手の平にのせて軽くたたくと香りが立ちます。
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 4月頃からつく黄色い小さな花(花山椒)は辛味がなく、佃煮や吸い物、焼き物のあしらいなどに使われます。そして6~7月頃に未熟な青い実(青山椒)をつけます。ちなみに実をつけるのは雌木のみ、ただし近くに雄木がないと結実しません。未熟でも辛味があり、ちりめん山椒を代表とする佃煮や漬け物にされます。
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 9月頃には実が赤茶色に熟し(実山椒、粒山椒)、割れ(割り山椒)ます。この割れた外皮をすり潰し粉末(粉山椒)にします。粉山椒は七味の7つの味のひとつでもあります。手軽に買える粉山椒ですが、意外と最後まで使い切れないもの。塩を加えて山椒塩にして、唐揚げなどに添えるとさっぱりと、七味の代わりにみそ汁やきんぴらにも合います。空気に触れると色も風味もすぐに損なわれるので、保管場所は冷凍庫をおすすめします。
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 山椒の辛味成分はサンショオールとサンショアミド、食欲増進や冷え症の改善などに効果があります。また防腐作用や抗菌効果も高く、昔は虫下しや駆虫に使われていました。うなぎの蒲焼きに粉山椒をかけるのは、暑さで胃腸の機能が弱るので、脂っこいうなぎの消化促進と食中毒予防の観点から。ぬか床に実か粉末を加えると防腐作用で傷みにくくなるのでお試しを。
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 サンショオールの辛味は、唐辛子やこしょうの辛味成分と同じ種類で、辛味としては唐辛子の200分の1ほど。麻酔に似た作用があり、大脳の味覚野を刺激し、少量でも舌が痺れるような辛さをより強く感じるのだそうです。まさしく「山椒は小粒でもピリリと辛い」のです。芳香成分はジペンテン、シトラールなど、こちらも食欲増進や消化促進作用があります。山椒は刺激が強いので、潰瘍のある人は禁物です。胃腸の弱い人は摂り過ぎに注意しましょう。
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 木の芽はスーパーなどでも売られていますが、生の青山椒は市販されていないので、もし手に入ることがあったらぜひ手作りの佃煮に。実を枝からはずして、水から指でつぶせるくらいやわらかく茹でたら、冷水に浸けてアク抜き、しっかり水気をきり、ちりめんじゃこと一緒に好みの味付けでさっと煮れば出来上がり。ゆでたものを冷凍保存し、魚や肉の煮付けになどに加えれば一年中使えます。
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 山椒は葉から花、実まで季節とともに独特の香りや辛さを楽しむことができます。まずはちらし寿司や魚の焼き物などに木の芽を添えて、春の香りを満喫したいと思います。