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日本古来の果物 梨&柿

日本古来の果物 梨&柿

 店頭に梨が並び始めると夏の終わりを、山畑の柿が色づいてくると秋の訪れを感じます。秋を代表する梨と柿は、どちらも弥生時代には、大陸から伝わり栽培されていたようです。奈良、平安の時代には広く食されるように。歴史の長い日本古来の果物、梨と柿の特徴をまとめてみました。
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 梨は、日本梨(和梨)、西洋梨、中国梨の三種類に大別されます。日本で多く出回っているのはもちろん日本梨、皮が褐色の赤梨系と黄緑色の青梨系と呼ばれます。成分の約90%は水分で、100g中43kcalと、果物の中では比較的低カロリーです。ビタミンCやカロテンは少なめですが、カテキンやタンニンなどのポリフェノール類、余分な塩分を排出する働きのあるカリウムなどを含んでいます。また、疲労回復効果のあるアスパラギン酸も含まれています。
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 梨のシャリシャリ、ザラザラした食感は、リグニンやペントザンという石細胞によるもので、食物せんいと同じような働きがあります。甘味はソルビトールという糖の一種、咳を鎮め、喉の痛みを和らげる効果があります。また、梨にはたんぱく質分解酵素が含まれており、すりおろしに肉を漬け込めばやわらかくなります。肉料理の後に、デザートとして食べれば消化を助けます。
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 7月後半~8月にかけて出回り始める、赤梨系の「幸水」や「豊水」は、果肉がやわらかく、濃い甘さと豊富な果汁が特徴です。9月に入ると、青梨系の「二十世紀」などが出てきます。シャリシャリとした歯触りと、たっぷりの果汁はさわやかな甘味が特徴。どちらがお好みですか?
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 一方、柿はアジアやヨーロッパでも「kaki」の名前で呼ばれる、日本を代表する果物です。甘柿と渋柿に分かれ、その土地の気候や風土により多くの品種があり、その数は1000種もあるそうです。渋みのもとはシブオールというタンニンで、熟すと渋みが取れて甘くなるのが甘柿で、渋みが取れないのが渋柿。渋柿はアルコールや炭酸ガスを使って渋抜きをします。干し柿にすると渋みは自然に抜けていきます。
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 「柿が赤くなれば、医者が青くなる」といわれるほど栄養価が高く、とくに豊富なビタミンCは、甘柿100g中に70mg、渋抜き柿では55mg含まれ、1個で1日の必要量を補えるほど。またカロテンも豊富に含まれるので、相乗効果で体内の酸化を防ぎ、免疫力を高め、風邪などの予防にも効果的です。カリウムも比較的多く含まれています。そしてタンニンにはアルコール分解作用があるので二日酔いに効果的、二日酔いの朝には柿をどうぞ。
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 干し柿にすると、ビタミンCは減少しますがカロテンは2倍に増え、食物せんいも多くなります。ただ甘味も凝縮されカロリーが高くなるので食べ過ぎは禁物です。また柿の葉には実以上にビタミンCが多く含まれるので、お茶の葉にして飲むと効能が期待できます。
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 渋抜きされた柿は、渋抜き後もエチレンガスを出しながら、どんどんやわらかくなっていきます。シャキシャキ感を楽しみたい方は、水を含ませたキッチンペーパーかティッシュをヘタの部分にあて、ヘタを下にして袋に入れてから冷蔵庫へ、シャキシャキ感が長持ちするそうです。熟してやわらかくなった柿は、凍らせるとシャーベット状になり、また違った美味しさに。
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 今年は9月に入っても残暑が厳しいようです。果汁たっぷりの梨で水分補給し、涼しくなり食欲が出てきた頃、柿も旬を迎えます。自然の甘味たっぷり、この時期にしか食べられない極上の天然スイーツを味わってください。