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栄養レシピ&コラム 2016年公開分
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ギネスが認めたスーパーフルーツ アボカド

ギネスが認めたスーパーフルーツ アボカド

 アボカドはスーパーで一年中見かけますが、みなさんは食べたことがありますか?
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 やわらかくクリーミーな口当たりが特徴的なアボカド。分類上は野菜ではなく、じつは果物!果肉は黄緑色で、酸味や甘味はなく淡泊な味なので、果物としてより、野菜の素材として食べられることが多いです。
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 原産国は中南米で、主に暖かい熱帯・亜熱帯地域で栽培されています。アボカドと一言でいっても品種によって大きさや形も様々。日本で主に食べられているアボカドはメキシコ産のハス種と呼ばれるものです。最近では一年中出回っていますが、旬は3~9月。これからの季節に出回るのはチリ、ニュージーランド産のもので、こちらは南半球産となるため、10~1月が旬となります。国内では和歌山、愛媛、静岡、沖縄などで、わずかですが栽培されています。
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 アボカドの特徴は、「森のバター」と呼ばれるほど脂質を多く含むこと。果肉の約18~25%が脂肪分で、世界一栄養価の高い果物としてギネスで認定されています。アボカドに含まれる脂質は、多くがオリーブオイルにも含まれる不飽和脂肪酸のオレイン酸で、悪玉コレステロールを低下させ、生活習慣病を予防する効果があります。食物繊維やマグネシウムも豊富なので、便秘予防にも効果的。ほかにも血行を促進し、抗酸化作用の強いビタミンE、塩分の摂り過ぎによって体内に増えた余分なナトリウムを排泄し、高血圧やむくみに効果的なカリウム、動脈硬化や貧血を予防する葉酸など、様々なビタミン・ミネラルを含みます。
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 購入するときは、皮の色がチョコレート色で、さわると少し弾力があるものが食べ頃です。ヘタと果肉の間に隙間があるものは未成熟の場合が多く、ヘタがくぼんでいたり、取れて黒くなっているものは果肉が変色している可能性があるので避けます。皮に張りがあり、つやつやしているものを選びましょう。硬くて未成熟なアボカドは、室温(15~27度)で置いておくと追熟がすすみます。熟したものは冷蔵庫で保存しましょう。
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 ここでアボカドの切り方をご紹介します。
【1】 アボカドを手で持ち、種に当たるまで縦に包丁を入れ、種に沿ってぐるりと一周包丁を入れる
【2】 上下に持ち、左右反対にひねって二つに分ける
【3】 種に包丁の角(付け根)をコツンっと突き刺し、包丁をひねるようにすると種がきれいに取れる
【4】 手で皮をむき、スライスやサイコロなど好きな形に切る
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 アボカドは切るとすぐに茶色く変色してしまうので、気になる方は少量のレモン汁と和えておくといいでしょう。
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 サラダにするときは、トマトやニンジンなどの緑黄色野菜と一緒に食べるのがおすすめです。アボカドに含まれる脂質が、トマトに含まれるリコピン、ニンジンに含まれるベータカロテンの吸収率をアップします。
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 和の食材とも相性がよく、豆腐やマグロのお刺身、かつお節と合わせたり、ワサビ醤油で和えたりすると、おかずにもおつまみにも向く一品に。切ってはみたけど、まだ熟していなかった…というときには、揚げたり炒めたりして火を通すと、ほっくりやわらかな食感になり、生で食べるのとは違った味わいが楽しめます。スライスして軽くソテー、半分に切ったものにチーズや味噌、マヨネーズを塗ってオーブンで焼き、グラタン風にしてもおいしく食べられます。
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 また、アボカドはやわらかくなめらかな口当たりなので、介護食に向きます。生のままでも食べられ、少量で高エネルギー、栄養豊富なので、食が細く、噛む力が衰えている高齢者の方にもおすすめです。
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 脂質が多く高エネルギーなアボカドなので、食べ過ぎは肥満のもとですが、栄養満点でいろんな食材と相性が良く、そのままでも、揚げたり焼いたり、いろんな調理法で楽しめるのが魅力です。食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか?