日本人の大好きなカレー
9月に入り暦の上ではもう秋ですが、まだまだ暑い日が続いています。暑いからといって、サッパリとした冷たいものばかり食べていませんか?暑い時期は偏った食事になりやすく、栄養バランスが崩れがちです。そんな時は「香り」と「辛味」で食欲を増進させてくれるカレーがおすすめです。米・肉・魚介・野菜の具材を合わせることで、ビタミンやたんぱく質などの栄養を同時にとることができます。
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今や日本の国民食ともいえるカレーですが、カレーはインドで生まれた料理です。日本で通常使われているカレー粉というものはインドでは存在しません。現在日本でカレー粉と呼ばれているものは、インド料理文化を持ち帰ったイギリス人が、誰にでも使いやすいようにとスパイスをブレンドして作りました。そして小麦粉を油でいためたルウを使って西洋風にアレンジされ、明治維新後に日本に伝わり、現在のようなとろみのあるカレーが誕生したといわれています。
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カレーには複数のスパイスが含まれていますが、そのスパイスは漢方薬として使われているものも多く、それぞれ健康効果が期待できます。スパイスのひとつであり今注目されているのがターメリック(ウコン)。ターメリックに含まれる黄色い成分クルクミンは、強い抗酸化作用・抗炎症作用によって、アルツハイマー病を引き起こす物質の蓄積を減らすといわれています。認知症の予防にも効果があり、カレーを頻繁に食べるインド人は認知症の発症率が低いことも知られています。肝臓の解毒作用を高める作用もあり肝臓の機能を向上させるので、お酒を飲む前に摂取することで二日酔いを防止してくれます。ターメリックは食べてから24時間は体内に留まるので、お酒を飲む日の昼食などにカレーを食べるのもよいかもしれませんね。また、クミン、コリアンダーは整腸作用に優れているのでお腹の調子を整え、胃腸の働きを活発にする効果もあるので食欲を増進させてくれます。
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カレーを一度にたくさん作る方も多いかと思います。2日目のカレーがおいしいという方もいますが、保存の仕方には注意しなければいけません。カレーによる食中毒で一番多い原因はウェルシュ菌によるものです。ウェルシュ菌は100℃で1時間以上加熱しても死滅しません。この菌を増やさないために保存する場合は季節に関係なく、冷蔵庫や冷凍庫で保存し常温保存は絶対に避けましょう。自然に冷めるのを待つと表面は冷めても中は温かい状態でウェルシュ菌が増殖しやすくなります。冷水に当てるなどできるだけ早く20℃以下に冷まし密閉できる容器や袋に入れて保存しましょう。冷蔵保存では3日以内、冷蔵保存では1か月以内には食べるようにしましょう。また、ウェルシュ菌は酸素を嫌う性質があり酸素の多い条件では増殖しません。カレーを温める際は、しっかりかき回すことによって酸素に触れ増殖を防ぐことができます。
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肉、魚介、野菜、きのこ、いもなど、どんな食材とも相性のよいカレー。カレー作りには、種類も多く手軽でおいしい市販のカレールウが便利でよく使われますが、市販のルウは動物性油脂や塩分が多く含まれておりカロリーも高めです。ルウを使わずにカレーを作るのは少し手間がかかる・・・そんな時はルウの使用量を減らし、トマトやトマトジュースを加えて作ると酸味と甘みが加わりカロリーや塩分を減らすことができます。また、カレー粉やお好みのスパイスをプラスすることで風味が増すのでおすすめです。
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これから秋に向けて美味しい食材が店頭に並びます。そんな食材を使ってカレーを味わうのもよいですね。