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栄養レシピ&コラム 2018年公開分
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野菜高値の救世主 豆苗

野菜高値の救世主 豆苗

 最近野菜をしっかりと食べていますか?全国的に野菜の高値が続いており家計を圧迫しています。天候不良による長雨や低温などの影響で農作物に被害がでており、現在の野菜の高値につながっています。この高値は春ごろまで続くとみられています。
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 そんな中ひとつの野菜が注目されました。人気のあまり一時期売り切れのお店もあったようです。100円前後と値段も手頃で栄養も豊富な「豆苗」を紹介します。
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 豆苗は、えんどう豆の若い葉と茎からなる緑黄色野菜です。さまざまな品種がありますが、えんどう豆が成長しサヤごと食べるのが「サヤエンドウ」、未成熟の実を食べるのが「グリンピース」になります。豆苗を食べるとほんのり豆の香りと甘みがあり、シャキシャキとした食感が特徴です。
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 えんどう豆の若い葉を摘んで食べ始めたのは中国で、高級食材として食べられていました。中国では畑に植えてから春に出た新芽を収穫していました。日本で本格的に栽培され始めたのは約30年前からで、屋内による水耕栽培で生産されるようになりました。屋内のため農薬を使わず栽培でき、天候にも左右されないので一年を通し安定した価格と品質で流通しています。
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 豆苗は豆が持つ豊富な栄養成分を受け継いでおり栄養価も多く含まれています。βカロテンはほうれん草やブロッコリーより多く含まれており、抗発ガン作用や動脈硬化の予防に効果があります。粘膜や皮膚の健康を維持し、喉や肺など呼吸器系を守る働きもあるので、風邪が流行っているこの時期には摂りたい栄養素です。
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 さらに、風邪予防やストレスの抵抗力を高めてくれるビタミンC、老化防止や冷え予防に効果があるビタミンE、骨の健康を助けてくれるビタミンKをはじめ、ビタミンB 群、食物繊維などバランスよく含まれており、
野菜の中でも栄養含有は優秀です。
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 豆苗はアクも少なく水耕栽培なので泥汚れもないため下処理、調理をしやすい食材でもあります。豊富な栄養を効率よく摂取するには、炒め物がおすすめです。炒めることで多少ビタミンCは少なくなりますが、豆苗に多く含まれるβカロテンは、油と一緒に摂取することで吸収率が高まります。また、栄養素を汁ごと摂取できるスープやお鍋もおすすめです。まだまだ色々な食べ方を秘めている豆苗。料理に取り入れアレンジしてみるのもよいですね。
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 さらに、美味しく食べた後にも楽しみがあります。刈り取った豆苗の根を、水を入れた容器に根が浸る程度つけておけば新しい芽が生えてきます。カビの発生や腐るのを防ぐため水の交換をこまめにし、陽当たりのよい室内に置いておけば10日前後で再収穫することができます。成長を楽しみながら台所で収穫できるのも人気のひとつです。
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 キャベツやほうれん草などに比べるとまだ馴染みも薄く、このたびの高値によって注目されましたが、栄養豊富で値段も安定している豆苗、食べないのはもったいないですね。