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栄養レシピ&コラム 2018年公開分
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ワタも種も食べよう かぼちゃ

ワタも種も食べよう かぼちゃ

 甘くホクホクとした食感や冬至に食べる習慣があることから、冬のイメージのあるかぼちゃですが、収穫時期は夏から秋にかけてです。収穫したばかりのかぼちゃは甘味がほとんどありません。1~3か月間、冷暗保存することによって甘さが増していき、秋から冬が食べ頃となります。栄養満点で捨てるところがないエコな野菜かぼちゃを紹介します。
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 かぼちゃはウリ科に属するツル性の野菜です。戦国時代、ポルトガル人が種子島に漂流した際、鉄砲と共にカンボジアから持ち込んだとされています。現在、日本で栽培されているものは、「日本かぼちゃ」、「西洋かぼちゃ」、鑑賞用の「ペポかぼちゃ」の三種類に大別されます。店頭でよく見かけるかぼちゃの大半を占めているのは西洋かぼちゃで、日本かぼちゃよりβカロテンが5倍以上多く含まれており、甘味が強いのが特徴です。国内では4割近くが北海道で栽培されており、最近ではメキシコ、ニュージーランドからの輸入かぼちゃも多く出回っています。
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 緑黄色野菜の代表的な存在でもあり、ビタミン、ミネラル、食物せんいなどがバランスよく含まれています。特にβ-カロテンは多く、免疫力を高め、肌、爪、髪を健康に保ち、眼精疲労やドライアイの予防にも効果があります。β-カロテンに加え、さらに目の病気をよくする効果があるルテインも含まれていることから、目が疲れている現代人にとってかぼちゃは強い味方といえます。また、日焼けによってダメージを受けた肌の再生を助けてくれる、ビタミンE、Cも豊富に含まれています。これらの栄養素は同時に摂ることにより一層効果が期待できるので、日焼けあとが気になる方は特にしっかり食べたいですね。
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 かぼちゃを調理する際、皮、種、ワタを捨てている方もいることでしょう。かたくて食べにくい皮ですが、黄色い実の部分よりβ-カロテンが2倍も多く含まれており、抗酸化作用のあるポリフェノールも豊富です。調理前には皮をしっかりと水洗いして汚れを落とし、なるべく皮ごと一緒に食べるのがよいですね。また、種と一緒に捨ててしまうワタですが、骨を丈夫にする働きのあるビタミンKや食物せんいが豊富です。実の部分と一緒に煮ることで一層甘味が増して美味しくいただけます。
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 そして、もっとも捨ててしまいがちな種ですが、別名パンプキンシードと呼ばれ栄養価の高い食品でもあります。良質な脂肪酸やミネラルが豊富で、漢方の生薬名では「南瓜仁」として虫下しや血圧を下げる効果がある漢方として利用されてきました。
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 パンプキンシードは自宅でも作ることができます。取り除いた種はよく洗いぬめりを落とし、乾燥するまで天日干しした後、フライパンで殻にヒビが入るまで乾煎りし、かたい殻を取り除けばパンプキンシードができあがります。作るのにちょっとした工程は必要ですが、おつまみとしてそのまま食べられますし、ヨーグルトやサラダのトッピングなど色々な料理にも活用できておすすめです。
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 煮付け、てんぷら、サラダなどのおかずとして、また、プリン、パイ、ケーキなどお菓子として食べても美味しいかぼちゃ、秋に向けてますます美味しくなるかぼちゃを色々な料理で堪能したいですね。