TOP
>
栄養レシピ&コラム
>
栄養レシピ&コラム 2018年公開分
>
食感七変化 やまいも

食感七変化 やまいも

 さつまいも、さといも、やまいも・・・実りの秋から冬へ寒くなってくると、ほっこりとしたいも料理が食べたくなります。いも類の主成分のでんぷんは、通常加熱が必要ですが、やまいもは生で食べることができる珍しいいも類です。これは消化酵素のジアスターゼやアミラーゼを豊富に含んでおり、でんぷんの一部が分解されるためです。
*
 やまいもと呼んでいるのは、ヤマノイモ科に属するいも類の総称で、「自然薯」「大和いも」「長いも」などがあります。 自然薯は日本の山野に自生し、とても強い粘りと独特の風味があります。すりおろしてだし汁でのばし、ご飯にかける、あるいはとろろ汁にするのも美味しいですが、天然で希少価値が高く、市場にもほとんど出回らず、なかなか食べる機会はありません。大和いもは、扁平な扇状をしたいちょういも、こぶし状のつくねいもがあります。関東ではいちょういもを大和いも、関西ではつくねいもを大和いもと呼ぶのが一般的です。粘り気が強く、コクや風味がよいので、すりおろして食べるほか、お好み焼きのつなぎや和菓子の材料にも使われます。一方、長いもは水分が多く粘り気が少なめで味わいもやや淡泊です。
*
 自然薯以外は中国が原産で、日本で広く栽培されています。保存性が高く周年出回っていますが収穫は秋から、これから寒い時期にいちばん美味しくなります。粘り気や水分量に違いはありますが、栄養的にみると大きな差はありません。でんぷんが主体ですが、利尿作用があり、むくみの解消に効果のあるカリウムを豊富に含みます。ビタミンB群、C、食物せんいなども含み、便秘の解消、老化や肌荒れの予防、疲労回復効果なども期待できます。ネバネバの成分はムチンで、消化吸収を助け、胃腸の調子を整える働きがあります。
*
 なかでも私たちが購入しやすく、よく食べるのは長いもですね。いちばんの特徴はその食感でしょう。せん切りで酢の物にするとシャキシャキの歯ごたえ、軽く加熱するとサクサク、しっかりと加熱すればホクホクに。すりおろしてご飯にかければトロトロ、汁物に落として温めればフワフワ、小麦粉を加えて焼くとモチモチに。おすすめはすりおろしてマヨネーズを混ぜ、ゆでたブロッコリーやカリフラワーなど、好みの野菜や魚介類にかけて、オーブンで焼くとフワモチのお手軽グラタンの出来上がり。
*
 美味しい長いもの選び方は、皮に張りがありキズのないものを。ひげやひげ根のあとが多いものは粘り気が強いそうです。切ってあるものは切り口が変色せず白く瑞々しいものを。乾燥と光に弱いので、保存は丸ごとならキッチンペーパーに包んでから、さらに新聞紙でくるんで冷暗所に、夏場は冷蔵庫の野菜室がよいです。カットしたものはラップできっちり包んで冷蔵庫の野菜室へ、傷みやすいので早めに食べきりましょう。冷凍保存も可能なので、好みの大きさに切って、またはすりおろして冷凍用保存袋に入れて、平らにならしておくと使いやすいです。自然解凍か凍ったまま調理もできます。
*
 加熱するとムチンなど減少する栄養素があるので、効率よく摂るなら生で食べるのがいちばんです。ただ加熱して得られる食感や味わいも捨てがたいですね。生食と加熱の両方を合わせて、いろいろなやまいも料理を楽しみましょう。