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目には青葉 山ほととぎす 初鰹

目には青葉 山ほととぎす 初鰹

 冬の味 カツオの美味しい季節になりました。日本では千年以上前から食されており、古事記や万葉集にも登場するほど古くから親しまれている魚です。
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 カツオとひとくちにいっても種類は様々です。カツオのたたきとして一番知られているのが本カツオです。その他にも、ハガツオやソウダカツオなどがあります。
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 日本の太平洋側を回遊する本カツオは、全長約50cmで背側は濃い青紫色をしています。寿命は約10年とされ大きいものだと1mにも成長します。旬が2回あり春から夏にかけて出てくる初カツオは、九州方面から三陸方面へと北上し、その時期各地で捕れるカツオを初カツオと呼んでいます。身はプリっと締まり脂肪分も少なく、さっぱりとした味わいが特徴です。江戸時代には「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」と俳句にも詠まれ、縁起の良い春の初物としてこぞって食されていました。独特な美意識を持つ江戸っ子にとって、初カツオを食べることは粋とされ、値段も今では想像できないほどの高値で取引されていました。
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 一方、温度の低下に伴い、三陸方面から南下してくる秋頃に捕れるのが戻りカツオです。北の海で豊富に餌を食べているため、初カツオに比べ体は丸々と太く濃厚な味わいで「トロカツオ」とも呼ばれています。脂肪分が多く青魚に多いとされるDHAが豊富に含まれており、抗血栓作用や記憶力向上が期待できます。脂がのっているため加熱しても身がパサパサしにくく、刺身はもちろんのことムニエルや煮込みにしても美味しくいただけます。あっさりした初カツオ、脂ののった戻りカツオ、それぞれに味わいがあります。
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 カツオは常に泳ぎ続けている回遊魚で、泳ぐスピードは魚の中でも最速です。そのためミオグロビンという酸素を貯蔵する働きを持つたんぱく質が多く含まれています。含有量はマグロを超える高さで、カツオ100g当たり25.8gものたんぱく質を摂取することができます。また、血合いの部分にはビタミン、ミネラルをはじめとする栄養素も豊富です。特にビタミンB12は魚の中でもトップクラスの含有量を誇ります。ビタミンB12は別名赤いビタミンとも呼ばれ、骨髄で正常な血液を造りだし、神経機能を維持する働きをしてくれます。極端な偏食でなければ欠乏はおこりにくい栄養素ですが、動物性食品にのみ含まれるため肉、魚介類の摂取量が少ない方は注意が必要です。不足すると造血不良の貧血や、認知機能が低下するなどの症状がおこります。
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 ハガツオは、身は白身に近くモチモチとした食感が特徴です。刺身として食べても美味しく本カツオに比べカツオ特有の臭みが少ないため、色々な料理に活用しやすい魚です。その他にも、少し小ぶりなソウダカツオは、血合いが多くあしがはやいため、加工品として利用され宗田節が有名です。宗田節からとった出汁は、普通のカツオ節よりもコクや香りが濃厚で、日本料理や蕎麦つゆには欠かせない食材です。
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 カツオといえばタタキが一番定番ですが、フライ、ムニエルなど色々な料理で旬のカツオを味わってみてください。