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気になる油脂のはなし 1

気になる油脂のはなし 1

 私たちの体を構成している細胞膜や血液成分など、人体の15~20%は脂質でつくられており、脂質がなければ生きていけません。特に脳には最も多くの脂質が存在します。
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 脂質は「太る」「コレステロールの原因」などと、何かと悪者扱いされがちですが、毎日の食事から適量を摂らなくてはいけません。たくさんの種類がある脂質の中から、何をどのくらい摂るかバランスが重要です。
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 脂質は脂肪酸からできており、常温ではおもに固体(脂)で、肉類や乳、乳製品、バターやラードに含まれる飽和脂肪酸、そして常温では液体(油)の植物性油と魚介に含まれる不飽和脂肪酸で、この2つを合わせて油脂と呼んでいます。
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 飽和脂肪酸は、摂りすぎると中性脂肪や血液中のLDL(悪玉)コレステロールの上昇などに関与し、動脈硬化や脂質異常症になりやすいとされています。肉類や乳製品はたんぱく質源でもあるので、極端に控える必要はありませんが、脂肪の多い部位やバターなどは控えめにしましょう。
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 一方、不飽和脂肪酸の植物性油は、大豆油、菜種油、綿実油、コーン油、オリーブ油、紅花油、米油、ゴマ油、エゴマ(シソ)油、アマニ油などたくさんの種類があります。それぞれにLDLコレステロールを低下させる、動脈硬化予防などの働きがあるとして、体によい油とされています。
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 一般的なサラダ油に含まれている、紅花(サフラワー)油、大豆油、コーン油、ひまわり油やゴマ油などは、リノール酸という油を多く含んでいます。リノール酸は体にとって適量が必要で、よい働きをするものの、摂りすぎるとHDL(善玉)コレステロールを低下させ、動脈硬化につながりやすく、アトピーや花粉症などのアレルギー疾患を悪化させることがわかっています。リノール酸は米や穀類、豆類などにも含まれていますが、むしろ揚げ物、マヨネーズ、カップ麺、スナック菓子などによる過剰摂取が懸念されます。
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 そして魚に含まれる不飽和脂肪酸のDHA、EPAには、心疾患やアレルギー疾患を予防する働きがあります。また脳や神経の情報伝達に関わっており、記憶や学習能力の向上に効果があるとされます。さらには認知症の予防、改善にも効果があるのではないかと注目されています。特にサバやイワシ、サンマなどの青魚に多く含まれているので、週に2~3回は青魚を食べましょう。
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 油脂をバランスよく摂取するには、オイルたっぷりのサラダばかりでなく、煮物や蒸し物、お浸しなど、バラエティに富んだ料理法がおすすめです。とはいえ、外食やコンビニの利用、パンや菓子を食べることが増えているのが現状です。このような食生活ではトランス脂肪酸にさらされる危険度は一層高まります。
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 次回はこのトランス脂肪酸についておはなしをしたいと思います。