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和食にも トマトケチャップ

和食にも トマトケチャップ

 大人も子供も大好きな調味料ケチャップ。ケチャップといえばトマトですが、本来ケチャップとは、食材を濃縮して調味料や香辛料で味付けしたペーストのことをいいます。ヨーロッパでは魚介類やきのこ、果物などのケチャップがあります。トマトから作られたケチャップは、アメリカから明治時代に日本に伝わりました。当時の日本の家庭では、ケチャップを使った料理に馴染みがなく、またアメリカ産のケチャップは高級だったので、あまり売れなかったそうです。明治から大正時代にかけて、日本人好みに改良された国産のケチャップが製造販売されるようになり、オムライスやスパゲッティナポリタンなどの洋食の普及とともに、家庭でも使われるようになりました。

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 ケチャップはトマトをペーストしたものに、糖類、酢、塩、香辛料などを加えて煮詰めて作られます。ご存知のように、トマトにはリコピンが含まれています。リコピンはトマトの赤色の色素成分で、抗酸化力が強いことで知られています。悪玉コレステロールを抑えて、善玉コレステロールを増加させるため、動脈硬化や高血圧予防に効果があります。また生活習慣病や美容効果も期待される強い味方です。リコピンは赤く完熟したトマトほど多く含まれています。生のトマトは、青いうちに収穫されることが多いのですが、ケチャップになるトマトは、完熟したものを収穫して加工されます。リコピンは加熱にも強いので、トマトを凝縮したケチャップには、リコピンが豊富に含まれています。大さじ2杯で、トマト1個分ものリコピンを含んでいます。

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 さらに注目したいのは、旨味成分が豊富なこと。昆布と同じ旨味成分のグルタミン酸を含んでいます。こちらも生のトマトに比べると、完熟トマトから作られるケチャップの方がより多く含みます。甘味、酸味、塩味に旨味が加わったケチャップは、それひとつで味が決まる優れもの。また、隠し味に少し加えると、味に深みが出るので、肉じゃがなどの和風の煮物にもおすすめ。みそ汁に加えると、だしの代わりになります。
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 そして、ケチャップは減塩にも有効です。ケチャップの塩分は大さじ1杯あたり0.5gで、濃口しょうゆの2.6gに比べると約1/5と低めです。塩分が少なくても、しっかりとした旨味に、甘味や酸味もあるため、塩気を控えても物足りなさはなく、美味しく仕上がります。さらに、ケチャップには魚介や肉などの臭み消しに効果のある、シトラールという成分が含まれています。そこでイチ押しはサバの煮付け、砂糖としょうゆを半量にして、その分ケチャップを加えて煮付ければ、青身魚特有の臭みが抑えられて、減塩にもなります。ケチャップの味はそれほど強くなく、ほんのりと感じる程度です(参考:レシピ「サバの減塩煮」)。

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 アメリカから伝わったトマトケチャップは、お米や和食に合うよう改良され、いまや日本でも大活躍の調味料になりました。オムライスやスパゲッティなどの洋食だけでなく、いろいろな料理に使ってみると、意外な美味しさがありそうですね。